江戸文化を代表する街のひとつである新吉原界隈を歩いてみました。
昼前に三ノ輪駅を出発し、まずは投げ込み寺として知られる浄閑寺を参拝。静かな境内で手を合わせた後、土手通りの裏道を吉原方面へ向かいます。
吉原の手前には、天丼の名店として知られる土手の伊勢屋があります。せっかくなので散歩の前に一献と思い立ち、30分ほど並んで店内へ。木造の店は落ち着いた雰囲気で歴史を感じさせます。
まずは燗酒を一本。昼酒ならではの解放感もまた良い肴です。ほどなくして運ばれてきた天丼には、大海老や穴子、かき揚げなどが豪快に盛られています。
揚げたての天ぷらをつまみながら熱燗を口に含むと、衣の香ばしさと酒の旨味が心地よく重なります。かつて江戸の人々も、遊興の前に酒食を楽しみながら吉原へ向かったのだろうか――そんな想像を巡らせつつ、しばし贅沢な昼呑みを楽しみました。
身体もほどよく温まったところで散歩に出発です。店を出てすぐの場所にあるのが見返り柳。遊びを終えた客が名残惜しく吉原を振り返った場所として知られています。
続いて、客が身なりを整えたとされる衣紋坂を下り、緩やかに曲がる道を進むと、かつて吉原唯一の出入口であった大門跡にたどり着きます。
仲之町通りを歩きながら、桜や紅葉に彩られた往時の華やかな風景を想像します。今は普通の街並みとなっていますが、ところどころに残る史跡や道筋が、この場所の歴史を静かに語っているようです。
やがて吉原の守り神である吉原神社に到着し参拝。その後、吉原と外界を隔てていた境界「お歯黒どぶ」の跡を訪ねました。
最後は酉の市で有名な鷲神社に参拝して散歩を終了。昼の熱燗の余韻を感じながら歩いた新吉原は、江戸の人々の遊びや暮らしに思いを馳せる時間になりました。
華やかな時代の姿を見ることはできませんが、その残り香は今もこの街に息づいているように感じられました。
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