燗酒と温度

暑かった夏がようやく終わり、少しずつ涼しくなって参りました。 

 

当サイトでは様々な酒を温めて飲むことをご提案していますが、今回は燗酒の本家本元とも言える日本酒をご自宅で美味しく味わうためのヒントをご紹介します。

寒い冬、燗酒で身も心も温まる素晴らしい時間をお過ごしください。

🏮燗酒の温度で味が変わる

― 家でもできる美味しい燗のつけ方 ―

 

燗酒は、温度でまったく違う表情を見せます。

冷やでは穏やかだった香りが、ぬるく温めるだけでやわらかく立ち上がり、

味わいはふくらみを帯びて、口の中に広がります。

 

ここでは、家庭でできる簡単な燗の付け方と、温度によって変わる味の世界を紹介します。

温度の理論や比較については、別ページ「酒と温度」でも紹介しています。

→酒と温度

🏮温度が生む味わいの違い 

 

お酒の旨味や香りは、温度によって大きく変わります。

少し温めるだけで米の甘みや酸味がほどけ、冷やでは隠れていた表情が現れます。

🏮家でできる燗のつけ方

 

2.湯煎でじっくり温める

 

鍋にお湯を沸かし、火を止める。

徳利に日本酒を注ぎ、湯に浸ける。

温度計で確認しながら、好みの温度(ぬる燗〜上燗)まで温める。

 

ゆっくり温度が上がる湯煎は、酒の香りを穏やかに引き出します。

2.電子レンジで手軽に

 

電子レンジでも、上手に燗をつけることができます。

加熱時間を短く区切り、少しずつ温度を上げるのがコツです。

 

徳利または耐熱容器に日本酒を入れる。

ラップを軽くかけ、500Wで10〜20秒ずつ温める。

香りが立ってきたら止める。

 

香りを逃さず温めるには「加熱しすぎない」ことが大切です。

3.虚無僧燗(こむそうかん)というもうひとつのやり方

 

電子レンジを使うもう一つの方法として、「虚無僧燗」があります。

これは、徳利の口にお猪口を伏せてかぶせ、そのまま温める方法です。

 

お猪口が蓋のように蒸気を閉じ込め、酒が穏やかに温まります。

見た目が時代劇に出てくる虚無僧の笠のようであることから、この名がつきました。

 

静かに温められ、徳利の中で香りが満ちていく。

湯気の立たない燗の時間には、不思議と心を落ち着かせる静けさがあります。

 

この方法は、酒が跳ねにくく、香りも逃げにくい。

そして何より、温度の入り方が柔らかいのが魅力です。

レンジの中に立つ小さな徳利が、まるで静かに座禅を組む僧のように見えることもあります。

🏮燗に合うおすすめの日本酒

 

燗酒の魅力は、温度によって生まれる多様な味わいにあります。

同じ酒でも、ぬる燗では穏やかに、熱燗では力強く。

自分の好みに合う温度を探すことが、燗酒のいちばんの楽しみです。

 

 

当サイトでご紹介している日本酒はすべて燗上がりする燗酒に最適の美酒です。それぞれの特徴をご参照いただきご自分の好み似合わせて最適のいっぱいをお楽しみいただければと思います。

今夜は、あなたの「ちょうどいい燗」を探してみてください。

 

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🏮器で変わる燗の表情

 

燗酒は、器によっても味わいが変わります。

陶器の徳利は温もりを保ち、磁器は軽やかに香りを引き立てる。

錫のちろりは口当たりをまろやかにします。

 

詳しくは

→酒と器をご参照ください。

 

🏮まとめ|温度を知れば、酒がもっと楽しくなる

 

燗酒の魅力は、温度によって生まれる多様な味わいにあります。

同じ酒でも、ぬる燗では穏やかに、熱燗では力強く。

自分の好みに合う温度を探すことが、燗酒のいちばんの楽しみです。

今夜は、あなたの「ちょうどいい燗」を見つけてみてください。

文・写真:WarmLiquor編集部

湯気の立ちのぼる湯飲みのように、燗酒にも時間の温度がある。

その日の気分、その日の空気。その中で見つけた一本が、いちばんの燗上がり酒になる。

🔗 内部リンクまとめ

→酒と温度

→日本酒リスト

→酒と器