江戸時代、北前船最大級の寄港地として栄えた新潟。その面影を残す古町を歩き、港町に息づく酒文化を味わってきました。
新潟駅からバスに乗り10分ほどで古町へ到着。街の随所に江戸時代の面影が残るこの町は、一歩路地に入ると当時の賑わいや花街の風情がじんわりと伝わってきます。
江戸時代、縦横に堀が巡らされた新潟は「水の都」と呼ばれました。北前船が運ぶ昆布や酒、木綿、紅花など全国の物資が集まり、古町には船乗りや商人が行き交います。夜になると料亭や茶屋には灯がともり、夜通し賑わった様子が当時の記録にも残されています。
8番町と9番町の路地には黒塀、格子、石畳風の路地、老舗料亭などが点在し、花街の情緒が味わえます。気持ちがほどよく高まったところで「酒亭久本」の暖簾をくぐりました。
現役の芸妓である女将が着物姿で接客するこの店は檜の一枚板カウンターとお座敷があり、ちょっと粋な小料理屋といった風情。落ち着きのある空間で肩の力を抜いて酒を楽しめます。
板前さんのおすすめの地酒は「鶴の友」純米酒の燗。新潟市内のみで販売されているらしく聞いたことがない酒です。ふくよかな旨味と柔らかな口当たりで新潟の酒にしてはコクがあり、口に含むとふわっとした米の香りがほのかに漂います。
地元の魚介との相性がよく刺身の味が引き立ちます。品書きに値段の記載がなかったので刺身は希望の値段をいって板前さんに盛り合わせを作ってもらいました。
店を出ると、古町の路地は少し静けさを増していました。北前船の船乗りや商人たちも、この港で酒を酌み交わし、こんな夜道を歩いたのだろうか。そんなことを思いながら歩く時間そのものが、この日の一番の酒肴だったような気がします。
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